夏の京都

南禅寺大寧軒

元々は南禅寺の塔頭『大寧院』だったここは、明治の廃仏毀釈の煽りで廃寺となり、最近まで民間の所有となっていたよう。現在の庭は大寧院跡に明治末期に作られたもので、琵琶湖疏水の水を使った池泉回遊式とは言っても、植治の作ではなく、茶室『環水庵』を…

駒井家住宅

桜花の季節に紹介した駒井家も、この夏の旅企画で公開されています。昭和2年に建てられたこの邸宅は、近江八幡での活躍で有名なヴォーリズの設計によるもの。主の京都帝国大学理学部教授の駒井卓博士は、主に奥さんの意見を取り入れて設計してもらったそう…

並河靖之七宝記念館

夏場は長期休館となる並河七宝記念館ですが、今日から第36回『京の夏の旅』で特別に公開されています。 もちろん七宝に関する展示も見事なのですが、やはり『植治』こと七代目小川治兵衛による庭園は見物。琵琶湖疏水を活かした池泉庭園を数多く手がけた植治…

川床に三日月

京の夜空は晴れて、三日月が賑やかな床の向こうに、ぽつんと浮かんでおりました。

夏越大祓・上賀茂神社

一年の半ばの今日は、街中の神社で夏越大祓なごしのおおはらえが行われます。ここ上賀茂神社でも朝に神事が行われ、宵には境内を流れる『ならの小川』に人形ひとがたを流します。 昨年も書きましたが、この大きな茅の輪を左・右・左と八の字を描くようにくぐ…

廬山寺・源氏庭

新島旧邸から寺町通りを上がっていくと、廬山寺があります。紫式部の邸宅跡で、この季節、桔梗で知られる『源氏庭』。今年はまだ咲き始めですが、蒸し暑い朝にも涼やかな風が心地良く通り過ぎます。

鴨川床

少々鬱ぎ込み、更新もせぬまま五月は過ぎて...気が付けばもう六月も半ば。先日久々に床で呑み、少し気が晴れてきたので、よっこら腰をあげました。 で、仕事もあって撮りに行った鴨川、夏の宵。川上に見えるのは三条大橋。先日呑んだのもこの辺りでした。宵…

有栖川旧邸・平安女学院大学 有栖館

書院の板張りの部分は、能舞台にも使えるというもので、畳を敷いて使う事も出来ます。団体客のいない間は、ゆっくり解説を伺いながら、静かに過ぎてゆきます。 京都御所・建礼門前に建てられた有栖川宮家は、維新後に京都裁判所の仮庁舎とされ、現在の地に移…

大日さん

京都の街角には、多くの石の仏さんが祀られていますが、「地蔵菩薩」(=お地蔵さん)だけではなく「大日如来」(=大日さん)であられる仏さんがいらっしゃいます。8月27日あるいは28日には、その町内で『大日さん』の行事があります。河井寛次郎記念館に向…

広河原の松上げ

昨夜の久多に続き、今日は広河原へと向かいました。 先ずは広場に立てられた沢山の『地松』*1と呼ばれる松明に点火され、辺りは妖しい光の光景に...誰もいない秋の下北・恐山の賽の河原の光景を思い出します。なお、松上げに用いる元火は、広河原尾花町*2の…

久多の松上げ

左京区と言っても北の北、花脊、広河原のさらに奥、久多の里での松上げ*1に行ってきました。お恥ずかしながら、松上げを見るのは初めて。 今宵は始まってすぐ、ひとつの上松あげまつ*2がしっかりと灯籠木とろぎ*3の籠をとらえ、早々に大きく燃え盛り、辺りの…

俳句の日・周山を天涯で往く

今日8/19は俳句の日*1でもあると言うことで、下手な句*2を考えながら、今度はKawasakiの天涯で走って来ました。 黒田春日神社・百年桜 山路来て神守る里の青桜 神宿る人の心の里に花 周山に陽炎揺れる道十里 酷暑といえど、百年桜は元気でした。 常照皇寺・…

バイクの日・白川をTW125で廻る

今日8/19はバイクの日。と言うことで、今日はちょっと趣向を変えて、いつもは写真には写らない、私の「足」を題材にしてみました。このブログの撮影を支える、普段は黒子の存在です。 残暑はなお厳しいですが、朝の白川・三条あたりは、柳を揺らして涼しい川…

京の七夕・鴨川会場

昨夜は増水の影響で取り止めになっていた鴨川会場へ。 鴨川では、御池から四条の間でライトアップがなされています。写真は三条大橋から見た四条方面。三条四条の半ばあたりでは、友禅流しの実演もなされていました。 こちらは三条〜御池の間に置かれた「風…

京の七夕・堀川会場

今宵は某誌のために「京の七夕」*1を撮りに行きました。先年来の改修できれいな水の流れと、遊歩道が整備された堀川では、二条城前の押小路橋から、北は一条戻り橋までの一方通行で、様々な趣向を凝らしたライトアップがなされています。 (昨夜来の豪雨によ…

堀川御池の向日葵

堀川御池の南東角には、小さな向日葵の花壇があって、一番”のっぽ”の花は、二条城を振り返っているようでした。

市役所前の百日紅

毎日のように通っている御池通の夏をお届けしようと。先ずは市役所前に咲く百日紅。御池通に向かうように、東西に紅白の百日紅が咲いています。コンクリートとアスファルトに囲まれ、なかなかに照り返しも厳しい場所ですが、陽差しを浴びて咲いています。た…

夏越大祓の茅の輪・花山稲荷神社

ようやく梅雨も明けそうで、陽射しも戻ってきましたが。宵々々山の撮影以降、昨日今日と宵山の風景をお伝え出来ていないのは...不覚にも夏風邪をひいて臥せっているからです。 そんななか、花山稲荷神社さんから夏越大祓の「茅の輪」が届きました。 大変ご丁…

大雨

宵山を前に、鴨川は異常水位。昨夜は鳴滝の近く周山街道や、嵐山高雄パークウエイでも、土砂が道を塞いでいたよう。今朝は普段「カップルが等間隔で座る」ことで有名な、土手の上まで水が来ていたようで、写真の夕方時点でも、土手の散歩道は立ち入り禁止で…

今宮神社・織姫神社

市内各地で七夕の行事が行われる京都。でも...人の集まる所の苦手な私は行く訳でも無く、静かな今宮神社の境内摂社・織姫神社へ。 祭神の栲幡千千姫命たくはたちぢひめのみことは、七夕伝説の織姫に機織りを教えたとも伝えられるという機織りの祖神。そこで…

梅雨の柳谷観音

雨降る朝に伺った柳谷観音の本堂両脇には、七夕飾りにたくさんの願いが掛かっていました。 阿弥陀堂脇から奥の院に向かう道には、たくさんの紫陽花が植えられ、柳谷の境内を彩って...。奥の院:楊谷寺奥之院:中御門なかみかど天皇により建造。洛西観音霊場…

夏越大祓・大茅の輪...市内各社

大祓は市内多くの神社で行われますので、廻りだしたらきりがないので*1、日頃通う動線あたりの社を一気に廻ってきました。 写真上、左から...粟田神社、平安神宮、岡崎神社。 同じく...熊野神社、吉田神社、護王神社。 続いて...白峯神社、北野天満宮、平野…

花山稲荷神社・夏越大祓なごしのおおはらえ

年の半ばを越える六月三十日に、身の穢れけがれを払い、残り半年を無事に過ごせるようにと、「夏越大祓式」が市内各所の神社で行われます。元々はその昔、疫病の流行しやすい夏を、無事に過ごせるようにとの思いから始まったとか。茅の輪を授与してもらうの…

藤森神社のアジサイ苑

境内のアジサイ苑は境内西南の第一苑と、本殿東の第二苑に分かれています。上の写真は水の流れる第一苑の一部。住宅地と京都教育大学に囲まれているものの、苑の中は別世界です。 第二苑には特徴的な赤い太鼓橋が造られ、本殿や境内摂社の八幡宮社などを背景…

初夏の神童寺

久々に来た神童寺*1は、大修復工事が終わって、また静かな境内に戻っていました*2。立派な不動明王像の居られる本堂を拝観すると、奥の収蔵庫*3の仏様にも拝させて貰えますので、寺の歴史を感じるにも、是非ご拝観を。門前を流れる川にアジサイが咲き、境内…

初夏の海住山寺

南山城の二ヶ寺(岩船寺・浄瑠璃寺)を訪ねたら、三つ目の塔のある寺、海住山寺*1を訪ねてみます。時にローギアまで使いながら、ぐいぐいとかなり急な坂道を登ったら、紅い塔のある静けき山寺に着きます。桜や紅葉の時期には来ましたが、初夏に訪れるのは初…

浄瑠璃寺の猫とアジサイ

岩船寺まできたら、やはり浄瑠璃寺にも。写真は本堂側に置かれた石の仏さんたち。ちょうど一本のアジサイの木が、お供えされた花のように咲いていました。 本堂*1には初めて上がらせて貰いましたが、九体阿弥陀如来像*2は、お堂の両脇などからわずかに差し込…

岩船寺のアジサイ

熱帯夜が明けて、雨の予報に南山城へ...けれど、朝からの日差しに、またひどい蒸し暑さ。先ずは開門時間の岩船寺に伺いました。いやはや、少し経つと大きな三脚を構えるカメラマンの多い事...不快指数もピークに。それでも、ご本尊・阿弥陀如来*1のふんわり…

正伝寺

こちらも円通寺と同じく比叡山を借景とする枯山水庭園。臨済宗南禅寺派のお寺で、十三世紀の開山以来、一時は塔頭五寺を数える規模だったとか。今は周りをゴルフ場に囲まれ、庫裏と方丈がひっそりと佇みます。方丈前庭の作庭は小堀遠州とも、そうでないとも.…

円通寺・比叡山とサツキ

今さら私が、この借景庭園の説明をする必要も無いでしょう。開門から上げてもらいましたが、梢をすり抜け、苔の上をわたってくる風は、シャツ一枚の私には肌寒く感じるほど。強い陽の差す、表の蒸し暑さは忘れさせてくれる心地よさで、せっかちな私も、つい…