南禅寺大寧軒


元々は南禅寺塔頭『大寧院』だったここは、明治の廃仏毀釈の煽りで廃寺となり、最近まで民間の所有となっていたよう。現在の庭は大寧院跡に明治末期に作られたもので、琵琶湖疏水の水を使った池泉回遊式とは言っても、植治の作ではなく、茶室『環水庵』を中心に据え、藪内家11代家元・透月斎竹窓紹智により造られたもの。茶道家元による庭は、やはり少し趣が違うよう。
 
 
 
 
 
 
この庭の水の流れの始まり=写真の滝は、疏水の持つ落差を利用して作られたもので、動力を用いずに四六時中、庭に潤いを与え続けています。流れの中には蚕ノ社・木島神社のものを模して作られた『三柱鳥居』が建てられているほか、今では持ち出せない城崎・玄武洞の柱状列石(天然記念物)など、貴重な庭石が使われています。