正伝寺


こちらも円通寺と同じく比叡山を借景とする枯山水庭園。臨済宗南禅寺派のお寺で、十三世紀の開山以来、一時は塔頭五寺を数える規模だったとか。今は周りをゴルフ場に囲まれ、庫裏と方丈がひっそりと佇みます。方丈前庭の作庭は小堀遠州とも、そうでないとも...。少なくとも昭和の世に、重森三玲*1が再生・整備したものだそうです。再生前には刈り込みに石が据えられたりしていたそう。七・五・三の刈り込みに、既に花はなく、また来年への宿題が出来てしまいました。
庭を眺める方丈の縁側に座ると、頭上にはかなり多くの痕跡の残る「血天井*2」が。さわやかな初夏の陽射しが、白砂に照り返して、対照的な血天井を照らしていました。






 
参道で見つけたもの...狸の「化けだるま」?、緑モミジに蒼アジサイ



 

*1:重森三玲:1896-1975。東福寺・方丈庭、光明院・波心庭、霊雲院・九山八海の庭、龍吟庵・庭園などを作庭。

*2:関ヶ原の戦いの前年1600年、石田三成軍による伏見城落城の際、徳川配下の留守居役・鳥居元忠以下380余名が自刃。その血染めの廊下板を、八ヵ寺(栄春寺・源光庵・興聖寺・正伝寺・神応寺・天球院・宝泉院・養源院)に、天井板として置くことで、供養したもの。