秋の鳴滝能・竹灯篭で観る『敦盛』

久しぶりの更新になってしまいましたが、やはり紅葉が進みつつあり、そろそろこのブログも動き出さないといけない季節ですね。今日はあいにくの雨降りでしたが、”ご近所”の杉浦能楽堂で、竹灯篭による秋の鳴滝能を拝見しました。

今回は最後の演能の解説に続いて、シテの敦盛(観世流・杉浦豊彦さん)の能装束着付けの実演があり、上の写真のように解説を交えながら、次々と装束が着けられてゆきました。装束は必ずと決まったものではなく、演じ手が役に合うように選ぶこと。装束の寸法は大小無く、場合によっては体格に合わせて、その場で針と糸で縫い留めたりもすること。烏帽子の曲がりの左右で、源氏と平家が判ること...。などなど、いつもながら...この鳴滝能では、演目の解説以外にも、謡や楽器、衣装などに関する解説があって、全く無知な私でも、ひととき”通”になったように思えるのが、楽しいところです。
 
 
 

で、出来上がったのがこの姿。暫し撮影会となった舞台風景です。このあと照明を落とし、竹灯篭*1の揺らぐ明かりの中、『敦盛』が演じられ*2ました。
私の席は、舞台のすぐ脇。カブリつきのような距離でしたので、敦盛が目の前で翻るように舞われると風が当たり、それとともに着物独特の香りまで感じられました。この”間近感”も、鳴滝能の良い処ですね。
 
 
 
 
 

*1:明かりは揺らぎの再現されたLEDです。

*2:残念ながら、演能中の写真はありません。