試峠こころみとうげ

        
左手は、心霊スポット*1なんて言われている「清滝トンネル」。交互通行のために、両入り口には信号があります。当然赤信号の時間は長く、あたりに民家のない暗い中で、夜の信号待ちはちょっと気色悪いもの。狭くしかも途中で屈曲していて、そのうえ歩行者も通るため、様々な都市伝説の舞台になっているのでしょうが...。以前、上高地への唯一ルートである「釜トンネル」*2を、バイクで通りましたが、手堀りの荒れた壁面と、多量の湧水による高湿で、非常におどろおどろしい道でした。それに較べればなんてこと無い、キレイなトンネルだと思うのですが。
元々はこれ「愛宕山」に参詣する人のために作られた「愛宕山鉄道」のトンネルでした。「愛宕山鉄道」は昭和4年に開通し、戦中の昭和19年、鉄供出のため廃止されるまでは、嵐山から清滝までの「平坦線」と、その先清滝から愛宕山中腹*3までの「鋼索線」(ケーブル線)で、愛戸山参詣の足として活躍したようです。いま在れば、いい観光資源になったと思うと、大変惜しく思います。
それ以前の愛宕参りは、右手の坂を登り、試峠*4を越えて清滝へ抜け、そこから愛宕山登りという道順だったそうです。いま峠は清滝からこちらへの一方通行で、トンネル信号を待ちきれない時には、この坂を越えると早い..という抜け道です。
 
 
 
 
 
 そのご... 
雪も解けて、久しぶりに温かい陽差しだったんで、バイクで出掛けてみたんですが...えらい試みにあう羽目に...。左の写真後ろに見えるのは、清滝トンネル・試峠の手前、愛宕おたき念仏寺の石仏・羅漢さんです。
さぁて、気の緩みが招いたのか、あるいはやはり心霊スポット故なのか...試峠に残るアイスバーンで、上れなくなり、そのままずるずる滑り落ち、バイクを転かしてしまいました。「ブラックアイスバーン」っていう言葉を、テレビでさんざん見てきたのに...まさかこんな温かい昼日中に出会うとは...。ただでさえ最近足腰が弱って、起こしきれないバイクなのに、周りはつるんつるんに凍っておりまして、どうしようもない有様。(右の写真)挙げ句の果てには、JAFさんのお手を煩わす結果に。JAFさんに感謝感謝!_結局峠のてっぺんにはたどり着けず終い。しばらく天涯は車庫入りさせて、125と100でのんびり走ることにします。
 
 
 
 
 
 
 

*1:私なんかは全く信じませんが...お化けや怨霊って、それを信じられるのは楽観的だと思うのです。神や仏は信じますが、死後に人に恨みを返して、あるいは人を脅かして、存在できるなんて...信じられたら、幸せでしょうね。

*2:私がバイクで通ったのは、近年開通した新トンネルではなく、旧釜トンネルです。いまから20年ほど前、上高地へは指定車のみ通行可の夏休みの前後、一般車の通行が可能な期間がありました。

*3:鋼索線の終点「愛宕駅」には、遊園地やホテルまであったそう。清滝にも遊園地があって、愛宕神社の更に奥にはスキー場..と、一大観光地だったようです。詳しくはこちらのサイトに書かれています。

*4:試峠は試坂こころみさかとも