舟形万燈籠送り火

今年は妙法か鳥居形を..と思っていたのですが
大雨のおそれも残した宵に
雨を衝いて西方へと出帆する舟を撮ろうと
上賀茂橋へ向かいました
 

 
宵には雨はほぼ上がり
無事に送り火の刻限
点火された舟形と
怒濤の如く流れる賀茂川
賀茂川は冷えた川風が街の熱気を冷まして
湯気のように冷たい夜霧を湧き立たせ
思いもよらぬ幻景を成していました
しかも風の涼しいこと...
 
 
 
 

 
炎が大きくなると
空と地を繋ぐように輝きを増し
空を照らす稲光や
行き過ぎる車のヘッドライトもあいまって
妖しい光景となりました
 
 
 
 
 

 
空には登る炎が低い雲へと照り返し
地には川面とその上を這うような靄への照り返し
まさに帆を張った舟が大空へ滑り出すよう
もちろん舳先は西方浄土
中島みゆきの『紅灯の海』なんて口ずさんだりして…
あるいは『二雙の舟』でしょうか

 
...普段の水流での見え方はこちら(2006年撮影)
 
 
 
 
 
 

 
舟形が灯る前
ここ上賀茂橋でも
遠くに大文字が見えます
少し移動すれば妙法も見えるとか
でも移動撮影は困難です
 
信心薄い者にも
また美しい信仰の灯火を見せ
ご先祖を送ってくれた送り火
合掌
 
 
帰宅して録画しておいたKBS京都の中継番組を見たら
明治以前には少なくとも十山の送り火があったらしい..と
わが鳴滝にも『一』の送り火があったということで
東から『大文字』『妙法』『い(静市市原)』『舟形』『左大文字』
『一(鳴滝)』『蛇(北嵯峨)』『長(長刀の長・嵯峨観空寺)』
『鳥居』『”竹の先に鈴”図(松尾山)』と並んでいたとか
いっぺん観てみたいものですね