花脊の松上げ

普段は車で行く道を、今宵はスクーターで急ぎます。周山街道から477号線へと進むと、そこここの集落に盆踊りの賑わいがありました。長袖でも涼しい道のりに、気分も爽快...でも路側の表示は25℃...きっともうこの身体が、熱帯夜に慣れてしまったんでしょう。

五分前に着いたわりには、いい場所が確保できたなぁ..なんて思っているうちに、たくさんの松明に火が点され、そして松上げが始まりました。
 
 
 

すぐには大笠に乗りませんが、徐々に近づいていきます。

 
 


くるり回して勢いをつけ、そして投げる、投げる、投げる。
 
 
 
 
遠目に見ると小さな大笠も、こうして見ると、人の背丈の十倍もあるのが判ります。投げられる”上げ松”からは、火の粉もたくさん舞い落ちて、男衆に降り注ぎました。
 
 
 
 
 

上げ松が上手く大笠に乗ると、周囲から拍手が上がります。そうして大笠にも火がつき、松上げも最高潮を向かえました。
 
 
 
 
 

遠く山影から覗くのは、見守るような上弦の月
 
 
 

大きく燃える大笠は、最後には引き倒されて、一気に燃やし尽くされます。こうして山里の夏は、また静けさの中に帰ります。
 
 
帰り道は鞍馬へと走る道。往路とは違って、ほとんど集落もない暗い道。鞍馬までは涼しい山道でしたが、叡電沿いに町へと近づくと、岩倉あたりから蒸し暑い空気に変わりました。帰り着けばまた寝苦しい夜。