舞鶴・引き揚げ記念館の桜

 
ここの丘に咲く桜は、そのほとんどが遅咲きの八重桜。その八重であることに、どのような意味があるのかは知らないのですが、その一本一本が、それぞれに太平洋戦争での部隊や、戦線ごとの遺族会、戦友会などにより植樹されたもの。桜の下には笑顔が似合うものですが、ここだけはそう言う気分では歩けない桜並木です。でも一方で、犠牲となった先人のおかげで生きているかも知れない今に、喜びを感じて笑うべきなのかも知れません。

もし戦争がもう少し早く終わって、もしあの世代がもう少し生き残ってくれていれば、その下の世代の傍若無人さを諫めて、今の世も、もう少し良い世であったかも知れない...なんて思います。戦場に散った世代というのは、かくしゃくとして、芯の通った人たちだったんじゃないでしょうか。