五時前に起き出して、昨夜の雨に濡れた未だ暗い道を北へ。京都縦貫道に入ってすぐ、新老ノ坂トンネルを越えると、そこからは冷えた霧の道でした。
安国寺についてもまだまだ霧は深く、冷たく湿った空気に、紅葉もコントラストを無くして、呆然と佇むよう。
石段の先は霧に白く消えて、本堂の屋根も霞んで見えません。
谷筋の国道を往く車の音も、霧に遠ざけられているようで、あとは朝早くから庭掃除されている和尚さんの、箒が砂利を擦る音だけ。枝先の雨露も凍り付いたように、そこから離れようとしない、寒い朝。
きみどりみどり、だいだいにあか..と、様々な彩りも、霧に消えてゆくように。