十数年前の円山公園・大枝垂れ桜


今日は仕事の都合で桜巡りできませんでしたが、その仕事で過去の円山公園大枝垂れの写真(ポジ)を、引っ張り出してきてスキャンしたので、折角なのでここに載せさせて頂きます。
写真はたぶん20年近く前の勇姿で、まだこの頃はライトアップしているからと言っても、今ほど”必死に見て廻ろう”という人も多くなく、今じゃ信じられないほどにのんびりとした夜桜見物でした。
デジカメも携帯のカメラもない頃でしたから、夜桜を“撮ろう”とするのはまだ機材と経験の要る事で、写真を趣味や仕事にする人以外、カメラを向ける*1のではなく、ゆっくり目で見て心に焼きつける..といった夜桜見物でしたね。(...と言うより、呑んでいるだけだったようにも思いますが...。)大型の三脚に脚立、6x7判のカメラを構える私は、結構珍しそうに見られた記憶があります。
その真ん中にあるこの桜は、懐かしい「大枝垂れ」然とした立派な枝振りと、満々とこぼれんばかりにたくさんの花を付け、本当に輝かしい姿だったのです。今の姿を見て痛々しく思えるのは、このような昔の姿を見覚えているからでしょう。あの弱ってしまった姿を見て「さすが祇園の枝垂れ...」なんて言われると、本当にちゃんと目の前の桜を見ているのか、疑問に思ってしまいます。今でも観光パンフレットなどに載っている、“昔の姿”に幻惑されてるんじゃないかと...もちろん、それでもまだ花を付けている“けなげさ”に感動してもらえるとしたら、それは嬉しいことなんですけれど...。意外にもそう言う意味じゃなく、今の姿を“華やか”と賞する方もいるので、人の見方は判らないものです。

*1:もちろんコンパクトカメラや使い捨てカメラで、思いっきりストロボをたいてる人はいましたが、“ライトアップされている”のを撮る事は出来ません...。