『その先の京都へ...』

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イロ・カタチ...

これまでの反省を活かして

モノクロは1本だけに

これで空間の”カタチ”を収めて

もう一台で時節の”イロ”を収めることに

今更ながら普通の事をしています

 

 

 

 

 

 

今日は京都国立博物館・庭園に

特別展などのない時期には

庭園だけが観覧出来ます

庭園だけと言っても明治から平成に至る

いくつもの名建築も見られます

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

『西の庭』には紅葉も鮮やかで

古くは平安時代からの美術品(出土品)が

屋外展示されています

右の灯籠は奈良・東大寺の国宝

『金剛八角燈籠』の複製で平成のモノ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

私の好きなのは西の大和大路に面した

以前の正門『旧帝国博物館表門・札売場』

札売場の裏口はもう草が押し寄せ

沢山の小さな花が入りたがっているよう

この辺りをうろついていたら

ズボンはひっつき虫*1だらけになりました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

別の入口あたりには

うちやられた椅子と忘れられた蝙蝠傘

吹き溜まった落葉にも

うち捨てられたモノの哀れが

こちらの気を惹いてきます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

正門の門柱と札売場

重く曇って少し雨粒も落ちた空に

冷えてブルーな気分を投影

噴水池に散る落葉

雲間から少し差し込んだ陽に

鈍いながらに照り返し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

晴れ間に訪れたはずが

どんどんどんよりと暗い空

冬の京都によくありがちな雲の流れ

待っていれば晴れ上がるのに

そんな根気も無く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

明治30年(1897)開館の『帝国京都博物館』

当時の有り様を残す旧本館ですが

入口は急にモダンな改装も

レンガ造りの中に空を映して青いガラス扉が

非常に高いコントラスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

重い雲を背景に

勝手に東欧の街角のようなイメージを

撮ってみれば”写るんです”*2

旧ソ連圏のチープなカメラのような

あやふやな写りが合っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

意外に渋い『技術資料参考館』

『東の庭』への通り道

このあたりからはちょっとした森のよう

人も少なく静かに散策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

東の庭のさらに奥

紅葉の美しい茶室『堪庵』たんあんの庭

他に訪れているのは海外からの観光客ばかり

ガイドブックに載っているのか

SNSで評判なのか

日本人はあまり知らない処

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

そろそろ帰ろうかなんて思っていたら

空は明るくなってきました

もうあまり考えずに『考える人』のアングルで

ベタなカットも撮っておきます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

少し差した陽にこそ

”ほとんど影”の雰囲気が冴えてきます

ただの曇りでは陰はあやふや

陽の力が欲しい処

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

そうして大好物の陰 影 カゲ 影絵

影三昧の影四枚

旧表門の門扉や低い仕切りのアイアンが

佳い影を落としてくれます

これだけでも来た甲斐がありました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

最後に旧表門

平成まではこちらから入っていた記憶

今の『南門』もスマートですが

国立博物館と言えば

やっぱりこっちの印象です

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてもちろんモノクロでも

また2眼レフで確りと

KENTMERE PAN 400 @ ROLLEIFLEX 2.8D (1955~)

ピーカンのつもりで

低コントラストなフィルムを詰めましたが

薄陽では後処理が難しいレベル

まぁこんなものでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KENTMERE PAN 400 @ ROLLEIFLEX 2.8D (1955~)

こういう建築物には

6X6判がしっくりきます

味とアジの競い合い

銀塩プリントならもっと楽しめそう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KENTMERE PAN 400 @ ROLLEIFLEX 2.8D (1955~)

重厚なアイアンの門扉など

何で撮ろうと絵にはなりますね

逆光気味が有り難く

単純に大ボケでは味気ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KENTMERE PAN 400 @ ROLLEIFLEX 2.8D (1955~)

二眼レフには珍しく

アイレベルでもただの素通しではなく

ピンも掴めるファインダー

こういう処は流石の高級機種です

かなり遣い辛いですが...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KENTMERE PAN 400 @ ROLLEIFLEX 2.8D (1955~)

旧本館の”京都国立博物館”の文字の上には

『毘首羯磨びしゅかつま(左)と『伎芸天ぎげいてん(右)

共に美術工芸に関する仏教神*3

二人の神様が守ってくれています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KENTMERE PAN 400 @ ROLLEIFLEX 2.8D (1955~)

デジタルカットにもあったように

帰り際に晴れてきたところ

最後になってそれは無いよと

捨て台詞で帰る前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”写るんです"レンズ改 17mm f11 @ LUMIX GX8

”イロ”の担当はまさしく”色モノ”

写るんですの単玉レンズを

表裏対称に貼り合わせて

広角レンズにしたもの…らしい*4

ライカMマウント*5に加工されていて

パンフォーカスのお手軽スナップ

周辺は甘く流れるうえ

コーナーには入射角に依るマゼンタ被りも

難しいことは考えずに撮るレンズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ROLLEIFLEX 2.8D Xenotar 80mm f2.8 (1955~)

”カタチ”のモノクロフィルムはローライフレックス

こんな機材があるなら他のは要るの?なんて

言われるかもしれませんが

これは半ばジャンク

それでもいちおう写真は撮れています

 

20年くらい前にeBay*6で数万円の難ありモノ

更なるジャンクの部品を組み合わせ*7

なんとかカタチにした一品

レンズも傷だらけで贅沢品ではない品物

正直なところ本当に”2.8D”型とは言い切れません

市場ではツアイスプラナーを載せたモノより安い

シュナイダーのクセノタール搭載なのも少し身近な存在感

シュナイダーだって超一流メーカーなのに

どうも”ブランド力”が弱いのには納得出来ません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:もちろん虫じゃなく、雑草の種のことです。

*2:庭園のみの入場料は300円。入園者は駐輪無料。これで立派な建築や庭園に紅葉まで味わえて、3000円程のレンズでそれなりに撮れるなら、もう“パラダイス”ですね。

*3:仏教で神様というのもなんですが、様々な信仰の神も取り込んでいますし、そもそも明治以前の日本の仏教と神道は、それほど明確に分かれてなかったようですから。

*4:私が作ったワケではなくで、こんな改造レンズを個人で作って、フリマで売っている人達が居ます。

*5:Mマウントのプラスチックキャップに取り付けたモノです。

*6:当時のeBayは日本語ページもなく、稚拙な英語で辞書を片手に、先方には結構迷惑を掛けたかも。まだ今のように円安では無かったので、海外から買うのは合理的な時代でした。

*7:eBayで色々多分、裏蓋などを組み替えたと思うのですが、何をやったか今では全く記憶になく、残りの機種もなく、お恥ずかしいですが詳細不明です。