吉例顔見世興行・南座

 
師走に於ける京都の風景のうちでも“顔”と言えるのが南座の「まねき」ではないしょうか。平成17年に四代目坂田藤十郎が襲名されて、居並ぶ大看板の一等上座にも、大名跡のまねきが上がっています。まねきの部分はよくご存じかと思いますが、その上の屋根の妻の部分と「吉例顔見世興行」の看板を見逃していることも多いのではないでしょうか。
二枚目の写真は“北座”の跡。江戸時代にはこの辺りに七つの歌舞伎小屋があり、北座もその一つ。(明治25年閉鎖)南座から川端通りを少し上がったところに、北座跡の碑が建ち、座の面影を模した「井筒八つ橋北座ビル」*1が建っています。ちなみに四条大橋傍には、歌舞伎の祖とも言われる出雲阿国の像が建ちますが、阿国が京の都で舞ったのは、五条あたりの河原と北野天満宮と言うことです。

*1:井筒八つ橋本舗の店舗と茶店とともに「ぎをん思いで博物館」も。http://www.yatsuhashi.co.jp/store/store09.html