山鉾巡幸

narutakiso2007-07-17


今年は...注連縄切り、新町御池の辻回し、新町四条の辻回し...と見て回りました。右の一枚は、御池通釜座あたりから。
意外に思われるかも知れませんが、宵山の期間と違って露店も無く、鉾町のごく周辺と鉾の通り道以外は交通規制も無く、京都市内は普段の平日に半ば戻ります。
ですので、上のような観覧巡りも、私は車で移動し、駐車場に停めております。但し、車での移動に関しては必ず以下の注*1をご覧下さい。



  
左_注連縄切り(四条麩屋町)   右_お稚児さんお疲れさま


今年は「雨と台風の震災に戦慄いた連休」明けで、その所為かちょっと人出は少なめか..と言うところ。
7時過ぎに四条通りの麩屋町東入るに着きましたが、脚立を立てて一番後ろから撮る*2私としては、8時過ぎに来ても十分間に合ったかも。それでも注連縄切りを見る事が出来るここは人気で、注連縄切りの9時半には押すな押すなの人混みで、ドラッグストアの店内まで観光客がなだれ込むほど。


さて、お稚児さんは今では長刀鉾だけ*3になりましたが、そのお稚児さんも全区間乗る訳ではありません。つまり降りられるのですが、三度目の辻回しの前、新町御池を前にして、鉾の正面にはしごを掛けて、係のお兄さんの肩に担がれて降りられます。祇園祭の期間中、お稚児さんは地面を踏めませんので、担がれたままに車へ、以前はその後に人形を載せていましたが、今回はそれは無く、お囃子衆だけを載せてその後の道程へ。どうも人形でも乗っていれば..と思うくらい、白紺系のお囃子に金朱系の色合いが無いと、鉾の上は寂しいですね。



  
左_長刀鉾、四条新町の辻回し準備。   右_新町通を南下する函谷鉾


新町御池の長刀の辻回しを見送って、四条新町の辻回しに間に合いました。
私はこの新町通の巡幸が好きで、仕事としては御池なんかの写真が使われがちですが、この細い通りを両側の民家の軒に当たらぬように、そろりそろりと進むのがなんとも京都らしく...鉾の上の方は、道路のわずかな傾きのために、ゆらりゆらりと大きく揺れますから、これがまた際どく...。かと言って”だんじり”のようにご無体に進むのではなく、そろりそろりと...。


  
左_鶏鉾の辻回し(右前輪にテコをかける) 右_何だか姿が愛らしく、人気の船鉾。


ここでいくつかの鉾の辻回しを見ましたが、毎年思うのは鉾によって辻回しに掛かる回転の回数の違い。きっとただ「上手い・下手」に因るだけでは無く、鉾の構造や重さ、曳き手の人数、鉾町に伝わる作法..など、いろんな事が関わっての事なのでしょう。
そのなかで、際立つのは鶏鉾の早さ。曳き手の鮮やかな朱の編み笠が目立つ鶏鉾ですが、四条新町ではたった二回で回してしまいました。他の鉾と特に違うのは、引き綱で前輪を横方向に引くだけでなく、右前輪を数人がテコで以て押して行く事。これが中々に強力なようで...。
船鉾は観光客にも常に人気。新町四条は辻回しも無く、さっさと南の鉾町へと通り過ぎます。シャッターチャンスを逃さぬように。
ただ、今回はさっさと行きすぎたのか、舟の上の方にあるちょっと張り出した小さな屋根を、電柱にぶつけてしまい壊してしまってはりました。あぁもったいない...。


  
左_月鉾。曳き綱も御役御免。   右_鶏鉾。巡幸で傷んだ車輪。


巡幸が終わると早速鉾は解体されます。先ずは装飾品を下ろし、夕方までにはすっかり蔵の中に収まります。
解体前の鉾に近づいてみると、木製の車輪はひどく傷付いていました。以前もう少し小さな車輪の山鉾で聞きましたが、一輪新調するのに何百万円掛かったとか。

*1:規制に詳しく無いと移動は難しく、人の多い小路は危険ですし、封鎖している駐車場も多く、観光客の方は避けて下さい。また自転車も巡幸の道沿い、自動車規制路上では押して歩く必要があり、通れない或いは非常に迷惑な事も在りますのでお勧めしません。自転車・二輪車の正規な駐車スペースはほぼゼロです。レンタサイクルで廻るのも、非常に難しいかもです。機材や脚立がなければ歩いても御池〜四条はすぐですので、電車+歩きでお越し下さい。

*2:前の列で撮っても良いのですが、路上のマスコミが邪魔になったり、左右や後ろに押されながらでは撮りにくい上、怒鳴られたりしますからね...歩道を覆う屋根の柱の横に脚立を立てるのがベスト_但しお店には邪魔にならぬように。

*3:他の鉾には人形が載せられています