我が目で見る



さる超有名寺院へ向かう坂の途中に、ひっそりとしかしすっくと、
それは見事な山桜の咲く地蔵尊が在る。


多くの人々が坂を上ってゆくのだけれど、
それほどこの場所にお邪魔する人はいない様子。
もちろん通りからはっきりと見えているのだけれど...不思議。


旅や風景散策も”参考書”丸暗記がお気に入りのようですが、
学生時代はそんな勉強法に嫌気が差してたんじゃないですか?


近ごろ何度も出会った人々...それは、
サクラや紅葉のガイドブック、写真集を片手に”同じ風景”を探す人たち。
それはもう寸分違わぬ場所を探されているようで、
またそこから同じ絵を撮っている。


もちろん模倣は、初めの一歩かもしれないのですが、
それ以外にもいいアングルは在るはず、いい場所も在るはず。
探す”ゲーム”に熱中するあまり、それには気付かぬご様子。
もったいない。