旧硝子玉散歩

世間ではもう仕事納めの今日
また寺町界隈に用があり
新たに手に入れたレンズを持ち出し...うろうろと
 

 
”飛脚”も忙しく走る師走の寺町商店街
酉の一字も掲げられ 迎春準備万端整っているようです
 
 
 
 
 


 
写真を撮りはじめた昭和50年頃
とても手にすることは出来なかった明るいレンズ*1
誰もくれないから自分へのXmasプレゼント
手には憧れていた金属と硝子の塊
目に映るのは昭和から平成へと抜けた風景
 
 
 
 
 

 
水陸両用カメラNIKONOSの標準レンズ*2
冷たい街をぷかぷかと...
 
 
 
 
 

 
水中専用レンズ*3にとっては
空中は息苦しいよう
設計された屈折率と違うから
地上の光景を水の中のように溶かします
 
 
 
 
 

 
リノベーションの老舗的ビル
実験的なミュージカルの場にもなって息づき
UW-Nikkorも実験的な人々の手によって
現代に新たな形で蘇ります
 
 
 
 
 

 
度が進んでしまった眼鏡
遠距離用で覗き込む液晶画面は
収差なのだか目が悪いせいか判らなくなって
 
 
 
 
 

 
もう一度 先の”プレゼント”で二方を撮ってみる
最新設計のレンズ達はどれも素晴らしいものですが
昭和のだってなかなかヤルものです
何より手中の その在りようにニヤリとしながら
 
 
 
 
 

 
今度はロシアの力業オリオン*4
鉛色の空気はこちらの力業
 
 
 
 
 

 
カワイいブランドも
冬枯れと寄り添うように鈍い色
 
 
 
 
 

 
小雨続く街で
アーケードの下にも冷たいフットプリント
それぞれの”急ぎ先”をせわしなく一筆で払い描くように
陽の無いところに影を置く
 
 
 
 
 

 
っと 忘れていたもう1本*5
これも試しておこうと...でも
あんまり撮るものが無かったんですよね
 
 
 
 
 

 
去り際に
組み紐屋さんの硝子戸をお借りして
セルフ写真を一枚
 
 
 
 
 

 
W-NIKKOR 28/2.8
 
 
 
 
 

 
ROKKOR MC 58mm/1.2
 
 
 
 
 
 
 
 
 

*1:MC ROKKOR-PF 58mm 1.2 /minolta SR @1968~ レンズの製造年は大凡の推測です...

*2:W-NIKKOR 35mm 2.5 /NIKONOS @1976~

*3:UW-NIKKOR 20mm 2.8 /NIKONOS @1985~

*4:ORION-15 28mm F6 KMZ /L39 @1959~

*5:TAMRON 90mm 2.5 type-52B /Adaptor2 @1979~